日本にいるのに、LINEだけ調子が悪い。送信中のまま進まない。送れたり送れなかったりする。ほかのアプリは普通に動く。
使っていない海外の回線を、オンのまま待機させていませんか。それが原因のことがあります。当社の担当者も、日本国内でこれに当たりました。
先に答えを書きます。いま使っていない回線は、オフにしてください。削除しなくて大丈夫です。オフにするだけで直ることがあります。
この記事でわかること
- 日本にいるのに、LINEだけ送れないのはなぜ?
- どんなときに起きる?
- 待機させているだけで、なぜ通信が細くなる?
- LINEで気づきやすいのはなぜ?
- iPhoneでは、どこを見ればいい?
- どう直す?
- Androidではどこを見る?
- 海外用のeSIMは、削除したほうがいい?
- 日本に一時帰国するときは?
- 同じことで迷っている人は、どれくらいいる?
- 出発前に決めておくこと
日本にいるのに、LINEだけ送れないのはなぜ?
使っていない海外の回線が、通信を横取りしていることがあります。
スマホに回線を2つ入れていると、端末はどちらか一方でデータ通信をします。ここまでは想像どおりだと思います。
ところが、iPhoneには「電波の状況によって、もう一方の回線へデータを移す」しくみがあります。日本にいるとき、海外用の回線は圏外か、国際ローミングの扱いです。そこへデータが移ると、通信がほとんど通らなくなります。
画面上は「4G」や「5G」と出たままのことがあります。だから、通信が止まっていることに気づきにくくなります。
どんなときに起きる?
日本の回線を使いながら、海外用のeSIMを「オン」のまま置いているときです。
当社の担当者が、日本国内で試したときの話です。日本の回線(povo)を使いながら、アメリカの回線(US Mobile)をオンのまま待機させていました。すると、LINEの送信だけが引っかかるようになりました。送信中のまま進まない。送れたり送れなかったりする。
次のような形になっている人は、同じことが起きる可能性があります。
- 海外旅行から帰ってきて、現地のeSIMを入れたままにしている
- 留学や駐在から一時帰国していて、現地の回線を残している
- 出発前に海外用のeSIMを入れて、日本にいるうちからオンにしている
- アメリカの番号を維持するために、日本にいる間も回線を持っている
待機させているだけで、なぜ通信が細くなる?
iPhoneに「モバイルデータ通信の切り替えを許可」という設定があり、これがオンだとデータがもう一方へ移るからです。
この設定は、もともと親切な機能です。片方の電波が弱いときに、もう片方へ移してくれます。日本国内で2枚とも日本の回線なら、たしかに便利です。
ただ、片方が海外の回線だと、話が変わります。移った先が圏外か国際ローミングなので、通信が通らない、あるいは高い料金がかかる状態になります。
回線の役割をはっきりさせておくと、こういう迷いが減ります。ラベルの付け方は「主回線」と「副回線」の切り替えミスを防ぐ|iPhoneのラベル設定術にまとめています。
LINEで気づきやすいのはなぜ?
LINEは送るたびに小さい通信をするので、通らなくなった瞬間がそのまま画面に出るからです。
ウェブページを見るだけなら、読み込みが少し遅い程度で済みます。すでに開いた画面はそのまま読めます。
LINEは違います。送信ボタンを押した瞬間に通信が必要です。通らなければ、その場で「送信中」のまま止まります。だから、まずLINEで気づきます。
写真や動画を送るときは、さらに目立ちます。文字は送れたのに、写真だけ止まる。そういう出方をします。
iPhoneでは、どこを見ればいい?
「設定」→「モバイル通信」を開いて、回線が2つともオンになっていないかを見てください。
画面に出ている文字をそのまま書きます。
- 「設定」を開く
- 「モバイル通信」を選ぶ
- 上のほうに「モバイルデータ通信」という行があります。ここに、いまデータで使っている回線の名前が出ています
- その下の「SIM」の欄に、入っている回線が並んでいます。「オン」と出ているものが、いま生きている回線です
ここで、使っていないはずの海外の回線が「オン」になっていたら、それが原因の候補です。
どう直す?
上から順に試してください。ひとつ目で直ることが多いです。
1. 使っていない回線をオフにする
- 「設定」→「モバイル通信」
- 「SIM」の欄から、使っていない回線を選ぶ
- 「この回線をオンにする」をオフにする
これで、その回線は待機もしなくなります。番号や契約が消えるわけではありません。また使うときにオンに戻せます。
2. 「モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオフにする
- 「設定」→「モバイル通信」
- 上のほうの「モバイルデータ通信」を選ぶ
- 「モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオフにする
両方の回線を残しておきたい場合は、こちらです。データが勝手に移らなくなります。
3. データで使う回線を、はっきり指定する
同じ「モバイルデータ通信」の画面で、日本にいる間は日本の回線を選んでおきます。あわせて、海外の回線の「データローミング」がオフになっているかも見ておくと安心です。
それでも直らないとき
機内モードを10秒ほどオンにしてから戻すと、つかみ直します。それでも変わらなければ、端末を再起動してください。
Androidではどこを見る?
「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」で、使っていない回線をオフにします。
メーカーによって言葉が少し違います。「SIMカードとモバイルネットワーク」と書かれていることもあります。回線を選ぶと「SIMを使用」という項目があるので、これをオフにします。
iPhoneの「モバイルデータ通信の切り替えを許可」にあたる設定は、Androidでは見当たらないことがあります。その場合は、使わない回線をオフにするのが確実です。
海外用のeSIMは、削除したほうがいい?
削除しなくて大丈夫です。オフにするだけで足ります。
むしろ、むやみに削除しないでください。eSIMは、一度削除すると同じものを入れ直せないことがあります。有効期限が残っていても、そのまま使えなくなる場合があります。
入れっぱなしにすること自体は、悪いことではありません。問題になるのは「オンのまま」にしていることだけです。オフにしておけば、次の渡航のときにオンに戻すだけで使えます。
物理SIMを抜くかどうかで迷っている人は、物理SIMを抜くべきか?紛失リスクとデュアルSIM運用のメリット比較もあわせてご覧ください。
日本に一時帰国するときは?
飛行機を降りたら、現地の回線をオフにしてください。それだけです。
順番はこうなります。
- 日本に着いたら、現地の回線をオフにする
- 日本の回線をデータで使う回線に指定する
- 現地の番号でSMSを受け取りたい場合だけ、その回線をオンのまま残す(このときは「モバイルデータ通信の切り替えを許可」を必ずオフに)
3つ目は、現地の銀行やアプリの認証コードを受け取る人向けです。受け取る必要がなければ、素直にオフにするのがいちばん楽です。
日本の番号を残したまま海外で暮らす場合の考え方は、eSIMと物理SIMのデュアルスタンバイ|日本の番号を着信可能にする設定に書いています。
同じことで迷っている人は、どれくらいいる?
当社への相談では、744人のうち38人が「この回線は切っていいですか」と聞いています。
2026年5月21日から8月29日までに、LINEでいただいたご相談を数えました。お客様の発言6,075件・744人が母数です。そのうち、回線を切るかどうかを質問の形で聞いていた人が38人(5.1%)いました。
回線を2つ持ったときに、どちらをどうすればいいのか。ここで迷う人は、思ったより多いです。設定の話は、渡航の前にいちばん後回しにされます。そして、現地に着いてから、あるいは帰ってきてから困ります。
出発前に決めておくこと
「どちらでデータを使うか」を1つ決めておけば、あとは困りません。
- データで使う回線を、行き先ごとに決めておく(日本にいる間は日本、現地では現地)
- 「モバイルデータ通信の切り替えを許可」はオフにしておく
- 使わない回線はオフ。削除はしない
- 回線に分かりやすい名前を付けておく(「日本」「現地」など)
- 帰国したら、その日のうちに現地の回線をオフにする
ここまでやっておけば、LINEが送れなくなることも、知らないうちに国際ローミングの料金がかかることも防げます。



