海外SIMがつながらないとき、ChatGPT・Claude・Geminiに聞けばどこまで分かるのか。スタッフが3つのAIに同じ質問をして、答えを比べてみました。
AIは、周波数や設定画面のように「見えているもの」なら答えられます。回線が開通しているか、契約内容がどうなっているかという「見えていないもの」は答えられません。まず自分でAIに聞いて設定を見直し、それでも分からないときはサポートに画面を送る、という順番が現実的です。
このページの構成
- 渡航直後に「つながらない」と、AIにも頼れない
- 前提 ── SIMがつながっていないと、AIにも質問できない
- 試してみた:このスマホは渡航先で使える?
- 試してみた:設定画面を見せてAPNを確認してもらう
- 試してみた:eSIMのエラーの原因を聞く
- 3つのAIを比べて分かったこと
- スクリーンショットを送る前に隠す情報
- AIで分かること・分からないこと
- まとめ
1渡航直後に「つながらない」と、AIにも頼れない
現地に着いた直後にSIMがつながらないと、時差でサポートに連絡しづらい時間帯に当たることがあります。そんなとき、スタッフは3つのAI(ChatGPT・Claude・Gemini)に同じ質問をして、答えを比べてみました。
AIは画面のスクリーンショットや公式の仕様を読んで、原因の見当をつけるところまでは役に立ちます。ただし、答えが割れる場面や、画面を読み違える場面もありました。ここから、具体的なやり取りを紹介します。
2前提 ── SIMがつながっていないと、AIにも質問できない
AIに聞くには、まずインターネットにつながっている必要があります。SIMがまったくつながっていない場合、頼れるのはホテルや空港のWi-Fiだけです。
出発前に、宿泊先や到着する空港でWi-Fiが使えるかどうかを確認しておくと、現地でAIに質問する手段を確保できます。
3試してみた:このスマホは渡航先で使える?
1つ目は、周波数が合っているかを聞く質問です。実際に使った質問文はこちらです。
質問文
「私のスマートフォンは【機種名】です。【国名】で【回線名】のSIMカードを使う予定です。対応している周波数は合っていますか?SIMロックの確認方法も教えてください。」
今回は、ドコモ版Galaxy S24(SC-51E)で、フランスのOrangeのSIMを使う想定で聞きました。

ChatGPTは「周波数的にかなり相性が良い」と回答しました。Orange Franceの主要な4GはB1・B3・B7・B20・B28です。SC-51Eの海外対応LTE帯域にはこの5つがすべて含まれているため、「主要4G帯域は全部対応」と説明しています。

Claudeも「周波数は問題なく合っている」と回答しました。「地方や屋内で重要なB20に対応しているので、つながりやすさの心配は少ない」という言い方です。SIMロックについては「2021年10月以降に発売されたドコモ端末は最初からSIMロックなし、基本的に解除不要。確認はMy docomoなどで」と説明しています。

Geminiは「フランス国内で問題なく実用可能」と回答しました。ただし回答の途中に「バンド(B20):非対応」という記載があります。「B8およびB28で十分カバーされるため大きな支障はない」という説明も添えていました。
| AI | B20(800MHz)の回答 |
|---|---|
| ChatGPT | 対応(主要4G帯域に含める) |
| Claude | 対応(つながりやすさの心配は少ない) |
| Gemini | 非対応 |
ドコモ公式のSC-51E仕様ページを確認すると、海外対応LTEにB20が含まれています。ChatGPTとClaudeの「B20対応」は公式仕様と一致します。Geminiの「B20非対応」は公式仕様と食い違っています。なお、Orange Franceが4GでB8を実際に使っているかどうかは、当社では確認していません。
4試してみた:設定画面を見せてAPNを確認してもらう
2つ目は、データ通信ができないときに設定画面を見てもらう質問です。公式の設定情報だけでなく、実際の設定画面を一緒に貼るのがポイントです。今回は、以前使った回線がオフになっているだけの状態を用意しました。AIがこの状態を正しく見抜けるかを試しています。
質問文
「このスクリーンショットは私の【iPhone/Android】のモバイル通信設定です。【国名】で【回線名】のSIMカードを使っていますが、データ通信ができません。設定に問題がないか確認してください。」

用意した画面は、iPhoneの「モバイル通信」の設定です。モバイルデータ通信はpovo、eSIM欄には「povo(オン)」「以前”旅行 – Carrier”として使用(オフ・+1の番号)」「以前”副回線”として使用(オフ)」と表示されています。アメリカでT-Mobileの回線を使う想定で聞きました。

ChatGPTは「かなり可能性が高い設定ミスがある」と回答しました。モバイルデータ通信がpovoになっていて、「以前”旅行 – Carrier”として使用」(T-Mobileの回線)がオフになっている点を指摘しています。デュアルSIMでは「モバイルデータ通信」に指定した1回線がデータ通信を担当する、とApple公式の仕様を出典に説明していました。対処法は「その回線をタップして、この回線をオンにする」でした。

Geminiも同じ画面を見て、モバイルデータ通信の参照先がpovoになっていること、T-Mobileの回線がオフになっていることを原因に挙げました。対処法は、まず「以前”旅行 – Carrier”として使用」をタップしてこの回線をオンにすること。次にモバイルデータ通信の回線を切り替えること。必要ならデータローミングなどの設定も確認すること、の3段階です。

Claudeは、原因の候補を2つ挙げました。1つは、データ通信がpovoに向いていること。もう1つは「画面に物理SIMの表示がない。日本版iPhone 17シリーズはeSIM専用モデルでSIMトレイがないので、T-Mobileの物理SIMカードは挿せない可能性が高い」という指摘です。
画面上の「以前”旅行 – Carrier”として使用」は、eSIM欄にある表示で、オフになっているだけです。Claudeはこれを「物理SIMが認識されていない」方向に読みました。この画面のかぎりでは、物理SIMの話ではありません。質問文に「SIMカード」という言葉を使ったことが影響したと考えられます。ChatGPTとGeminiは、同じ画面を見て「その回線をオンにする」と答えていました。
日本版iPhone 17シリーズがeSIM専用モデルかどうかは、当社では確認していません。データローミングの扱いについても、ChatGPT・Gemini・Claudeで答えが少しずつ違いました。この点は回線ごとに設定が異なるため、当社の商品をお使いの人は、商品ページやご利用ガイドの案内に従ってください。
5試してみた:eSIMのエラーの原因を聞く
3つ目は、eSIMのインストール中にエラーが出たときの質問です。
質問文
「eSIMをインストールしようとしたら、このエラーが表示されました。原因と対処法を教えてください。」

今回見せた画面には「eSIMは追加できません」「このコードはもう有効ではありません」と表示されています。ChatGPTは、端末の故障よりもQRコードやアクティベーションコード側が無効になっている可能性が高いと回答しました。QRコードは事業者によっては1回限りで、いちばん多いのは「すでに一度使われている」ケースだと説明しています。

Claudeは、読み込んだQRコードが事業者側で使用済みか無効になっていると回答しました。よくある原因は、すでに一度インストールされている、インストール後に削除した、別の端末で読み込んだ、事業者側で再発行や解約をした、有効期限切れ、の5つです。対処法は「もう一度押さずに、事業者へ再発行を依頼すること」でした。

Geminiは、画面の文言を正しく読み取りました。原因を、1. すでにインストール手続きが完了している、2. 別の端末にインストール済み、3. アクティベーションコードの有効期限切れ、4. 途中のネットワークエラー、の4つに整理しています。
3つのAIとも「QRコードは使用済みなので、再発行を事業者に依頼する」という結論でそろいました。この内容は、当社の既存記事eSIMのQRコードが読み込めない?その多くは、もう入っています|確かめる画面はこことも重なります。まず入っていないかを確認してから、再発行を依頼する順番は、この記事でも紹介しています。
63つのAIを比べて分かったこと
3つの質問を通して、答えが割れた場面と、そろった場面がありました。
周波数の質問で分かったこと … ChatGPTとClaudeの「B20対応」はドコモ公式の仕様と一致しました。Geminiは「B20非対応」と回答し、公式仕様と食い違いました。
試したスタッフの感想 … 3つとも自信のある書き方だったので、答えが割れていなければ誤りに気づけませんでした。周波数は、最後に公式ページで確かめるのが安心です。2つ以上のAIに聞いて比べるのがおすすめです。
設定画面の質問で分かったこと … 3つとも「T-Mobileの回線をオンにして、モバイルデータ通信をその回線に切り替える」という対処法は同じでした。ただしClaudeだけが、画面と合わない「物理SIMが挿せない」という原因を付け足しました。データローミングの扱いは、3つのAIで答えが少しずつ違いました。
試したスタッフの感想 … 回線がオフになっているだけの画面でしたが、ChatGPTとGeminiはすぐに見抜きました。スクリーンショットを1枚送るだけで、どこを直せばよいかまで分かります。
質問に「SIMカード」と書いたせいか、Claudeは物理SIMの話に広げてしまいました。質問するときは「eSIMです」と書き添えると、答えがぶれにくくなりそうです。
eSIMエラーの質問で分かったこと … 3つとも「QRコードは使用済み、再発行は事業者へ依頼」という同じ結論に達しました。
試したスタッフの感想 … 3つとも答えがほぼ同じで、私たちがいつもご案内している内容とも合っていました。このエラーは、慌てて何度も読み込まないことがいちばん大事です。ほとんどは、すでに読み込まれていることが原因です。
| 試した質問 | 分かったこと |
|---|---|
| 周波数の質問 | ChatGPTとClaudeの「B20対応」はドコモ公式の仕様と一致。Geminiは「B20非対応」と回答し、公式仕様と食い違った |
| 設定画面の質問 | 3つとも「T-Mobileの回線をオンにする」対処法は同じ。Claudeだけ画面と合わない原因を付け足した。データローミングの扱いはAIで割れた |
| eSIMエラーの質問 | 3つとも「QRコードは使用済み、再発行は事業者へ依頼」で結論が一致 |
AIは、画面や公式の仕様を読んで一次切り分けをするところまでは役に立ちます。ただし、途中で読み違えたり、答えが割れたりすることがあります。最後は商品ページやご利用ガイド、公式の仕様で確かめてください。
7スクリーンショットを送る前に隠す情報
AIに質問するときも、サポートに画面を送るときも、画面の中には様々な情報が写り込みます。電話番号・IMEI・EID・ICCID、メールアドレスやアカウント名は、送る前に隠してください。
QRコードの画像には、そのまま読み込めば使えてしまう情報が入っています。AIへの質問にも、サポートへの相談にも、QRコードの画像は送らないでください。
8AIで分かること・分からないこと
ここまでの結果を、分かること・分からないことに整理しました。
| AIで確認できること | AIでは分からないこと |
|---|---|
| 対応周波数の確認 | 回線が開通しているか |
| SIMロックの確認方法 | 残高・プランの内容 |
| APN設定の確認 | 現地での回線障害 |
| ローミング・モバイル通信の設定 | アカウントの状態 |
| eSIMのインストール手順 | お客様ごとの契約内容 |
右側の「分からないこと」は、当社にお問い合わせいただければ確認できます。回線の開通状況や契約の内容は、お客様ごとに違います。AIではなく、サポートへの相談が近道です。
9まとめ
AIは、周波数の対応状況や設定画面の読み取りといった「見えているもの」の一次切り分けには役立ちます。ただし、回線の開通状況や契約内容といった「見えていないもの」は、AIに聞いても分かりません。今回のようにAI同士で答えが割れたり、画面を読み違えたりすることもあります。最後は公式の仕様や商品ページで確かめてください。
イエローモバイルのLINEサポートでは、画面のスクリーンショットを送っていただければ、いまどの状態かを確認してご案内しています。AIで一次切り分けをしたあと、それでも分からないときはご相談ください。
設定でつまずきやすい場所はeSIMは難しい?610人の相談から分かった、つまずく場所と、先に決めておく3つにもまとめています。デュアルSIMで通信がうまくいかないときはデュアルSIMでLINEが送れない・遅いときは、使っていない回線をオフにも参考にしてください。
まとめ
AIは設定の見直しと原因の切り分けには役立ちますが、間違えることもあります。最後は商品ページ・ご利用ガイド・公式の仕様で確かめてください。
それでも分からないときは、画面を1枚送っていただければ、こちらで状態を確認してご案内します。



