ヨーロッパを何か国かまわるご予定で、SIMを探しているところでしょうか。調べていくと必ず出てくるのが Three UK と Orange の2つだと思います。どちらもヨーロッパの広い範囲で使えて、電話番号も付きます。
先に、いちばん大事なところをお伝えします。この2つは「どこに電話をかけるか」で選び分けます。データ容量でも価格でもありません。ここを取り違えると、現地に着いてから「電話がかけられない」と気づくことになってしまいます。
海外SIMを9年ご案内してきました。両方を実際に扱っている立場から、選び方を整理します。
結論
- イギリス滞在が中心なら Three UK。同じ価格帯で容量が大きい
- ヨーロッパを移動するなら Orange。ヨーロッパ宛の通話とSMSが無制限
- Three はイギリス国内同士以外への通話が有料。ここが最大の分かれ目です
- Three は他国で使ったデータもイギリスの容量から引かれます
- Orange は利用期間を延長できません
このページの構成
- ヨーロッパのeSIMは「どこに電話をかけるか」で選ぶ
- Three UK と Orange の違い
- 旅程別・どちらを選ぶか
- 買う前に知っておくこと
- 料金プランと容量の目安
- 申し込みから使えるまで
- よくある質問
1ヨーロッパのeSIMは「どこに電話をかけるか」で選ぶ
ヨーロッパ向けのeSIMを比べるとき、多くの人はまずデータ容量と価格を見ます。それ自体は間違いではありませんが、この2つに関しては先に見るべきものがあります。
電話です。
ヨーロッパは国をまたぐ移動が簡単で、1回の旅行で3か国4か国をまわることも珍しくありません。そのとき「宿に電話する」「レストランを予約する」「現地の担当者に連絡する」といった場面が出てきます。ここで、2つの商品はまったく違う動き方をします。
Three UK は、イギリス国内同士の通話だけが無制限です
イギリス国内同士は無制限。ただ、イギリスからヨーロッパの国へかける通話とSMSは有料です(日本宛も同じく有料)。データ通信はヨーロッパでも使えるので、「使える」と「電話がかけられる」を混同しやすいところです。
Orange は逆です。ヨーロッパ宛の音声通話/SMSは無制限。ヨーロッパ内であれば、どの国からどの国へかけても追加料金がかかりません。
つまり選び方はこうなります。
| あなたの旅 | 向いているのは | 理由 |
|---|---|---|
| イギリスに滞在する。移動しても短期間 | Three UK | イギリス国内の通話が無制限。容量も大きい |
| ヨーロッパを何か国かまわる | Orange | ヨーロッパ宛の通話・SMSが無制限 |
| ヨーロッパ内でよく電話する | Orange | 同上 |
2Three UK と Orange の違い
| 項目 | Three UK | Orange |
|---|---|---|
| 電話番号の国 | イギリス | フランス |
| SIMの種類 | eSIM/SIMカードから選べる | eSIMのみ |
| 通話・SMS | イギリス国内同士のみ無制限 ヨーロッパ・日本へは有料 |
ヨーロッパ宛は無制限 ヨーロッパ以外へは30分〜 |
| データの数え方 | 他国で使った分もイギリスの容量から引かれる | 全域で一律 |
| 利用期間 | 30日 | 30日・利用期間の延長は不可 |
| 発行 | 購入後30分以内にQRコードをメール | 24時間自動発行・30分以内 |
| テザリング | 可能(通常のデータ容量から消費) | 可能(通常のデータ容量から消費) |
| 最安プラン | 40GBで1,880円 | 20GBで2,780円 |
価格だけ見ると Three UK が有利です
Three UK は40GBで1,880円、Orange は20GBで2,780円。容量が2倍で価格は安いことになります。ただしこれはイギリス国内で使った場合の話です。次の章を読んでから判断してください。
3旅程別・どちらを選ぶか
イギリスに1か月滞在する(語学学校・出張・ワーホリの最初)
Three UK を勧めます。イギリス国内の通話が無制限で、容量も40GBから選べます。宿や学校、バイト先への電話がイギリス国内なら、追加料金はかかりません。
ロンドンに入って、パリ・ローマ・バルセロナをまわる
Orange を勧めます。理由はこうです。
- ヨーロッパ宛の通話・SMSが無制限。宿やレストランへの連絡が国をまたいでも追加料金になりません
- データが全域で一律。Three だと大陸で使った分がイギリスの容量から引かれます
イギリス中心だが、週末に大陸へ出る
どちらでも成立しますが、「電話を使うか」で決めてください。
- 連絡がメッセージアプリ中心(LINE・WhatsApp)→ Three UK。データが安く大きい
- 電話をかける場面がありそう → Orange
ヨーロッパを2か月まわる
どちらも30日なので、そのままでは足りません。Orange は利用期間の延長は不可ため、2枚目を買い直す前提で考えてください。滞在が延びる可能性がある方は、購入前にご相談ください。
4買う前に知っておくこと
買ったあとで「そんな話は聞いていない」となりやすいところです。先にお伝えしておきます。
Three UK:他国で使ったデータも、イギリスの容量から引かれます
イギリス国内で使えるデータ容量は、その他の国で使った分も含めた合計ですたとえば40GBプランでヨーロッパ地域で5GB使った場合、イギリスでは残り35GBまで使えます
「イギリス40GB + 他国6GB = 合計46GB使える」ではありません。
Three UK:ヨーロッパ中心の使い方だと、利用できる期間が短くなることがあります
利用可能期間はイギリス国内での利用が基準。海外ローミング中心になるとThreeのフェアユースポリシーにより期間が短縮される場合があるこれは Three 側のルールなので、当社では変えられません。ヨーロッパ周遊が主目的なら、この点でも Orange のほうが向いています。
Orange:利用期間を延長できません
利用期間の延長は不可。30日を過ぎたら、新しく購入し直す形になります。
両方:データを使い切ると止まります。低速では続きません
日本の格安SIMのように「使い切っても低速で使える」仕組みはありません。Three は原則、通信停止または残高から従量課金、Orange は原則、データ通信停止です。テザリングで使った分も通常の容量から引かれるので、パソコンをつなぐ予定があるなら、ひとつ上の容量を選んでおくと安心です。
Orangeは、設定の相談がほとんど届きません
これは数字ではなく、うちのサポートの実感です。Orange について「設定できない」という相談は、ほとんど届きません。eSIMを入れて、現地で切り替えて、それで終わっている方が大半です。
理由は条件が単純だからだと考えています。ヨーロッパのどこにいても同じ容量、同じ通話条件。「この国では使えるが、あの国では容量が別」といった判断が要りません。迷うところが少ない商品は、詰まるところも少ないというのが、9年やってきた実感です。
当社が大事にしているのは、安さではなく「詰まらないこと」です。渡航先で通信が使えないと、その日の予定が全部止まります。Orange はその点で手のかからない商品です。
5料金プランと容量の目安
この料金は2026年8月15日時点のものです。プランの内容や価格は変更になる場合がありますので、お申し込みの前に商品ページで最新の内容をご確認ください。
Three UK
| プラン | イギリス国内 | 他70地域 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|
| 40GBプラン | 40GB | 6GB | 1,880円 |
| 100GBプラン | 100GB | 12GB | 2,600円 |
| 200GBプラン | 200GB | 18GB | 3,600円 |
| 無制限プラン | データ無制限 | 30GB | 6,600円 |
Orange
| プラン | データ | ヨーロッパ以外への通話 | 同SMS | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| 20GBプラン | 20GB | 30分 | 200通 | 2,780円 |
| 50GBプラン | 50GB | 120分 | 1000通 | 5,580円 |
| 100GBプラン | 100GB | 120分 | 1000通 | 6,980円 |
ヨーロッパ宛の通話・SMSはどのプランでも無制限です。上の表は日本など、ヨーロッパ以外へかける場合の条件です。日本の家族と電話でやり取りする予定があるなら、50GB以上を選んでおくと余裕があります。
容量の目安
| 使い方 | 1か月の目安 |
|---|---|
| 地図・検索・メッセージ中心 | 10〜20GB |
| 上記+SNSに写真を上げる | 20〜50GB |
| 動画をよく見る/パソコンをつなぐ | 50GB以上 |
迷ったら、ひとつ上を選んでおくと安心です。使い切ると止まってしまい、低速では続きません。
6申し込みから使えるまで
出発前にやること
- 申し込む(eSIMはどちらも30分以内にQRコードがメールで届きます)
- 日本にいるうちに、自宅のWi-FiでeSIMを追加しておく
- QRコードのメールは、スクリーンショットでも保存しておく
- 現地に着いたら、モバイル通信の回線を切り替えるだけ
ここで止まりやすいのが2か所です。QRコードが読み取れないときは手入力で登録する方法があります。「アクティベーション中」から進まないときはこちらの手順を試してください。
Orangeを選んだ方は、届いてから帰国までの手順を1本にまとめてあります。Orangeヨーロッパ eSIMの使い方をご覧ください。QRコードをいつ読み込むか、使い切ったときにどうなるかまで書いています。
設定は日本にいるうちに済ませてください
QRコードを読み取ったあと、eSIMのダウンロードに通信が必要です。現地の空港で日本のSIMを抜いた状態だと、ここで止まってしまいます。日本のご自宅のWi-Fiで済ませておけば、現地でやることは切り替えだけです。
手順は海外SIMは日本で設定してから出発するにまとめています。
申し込む前の確認
- 端末がeSIMに対応している(対応機種は商品ページに記載しています。EID番号でも調べられます)
- SIMロックが解除されている(確認方法はこちら)
- 旅程が30日以内におさまる(Orangeは延長できません)
- 電話をどこにかけるかを決めた(この記事の1章)
- テザリングを使うなら、その分の容量も見込んだ
7よくある質問
Q. Orangeの番号はフランスですが、他の国でも使えますか
A. 使えます。発行されるのはフランスの電話番号ですが、ヨーロッパの対象国で利用できます。番号がフランスであることによる不便は、通常の旅行ではほとんどありません。
Q. Three UK でも大陸のヨーロッパで使えますか
A. データ通信は使えます。ただし使った分はイギリスの容量から引かれます。またイギリスからヨーロッパへの通話・SMSは有料です。さらに、ヨーロッパでの利用が中心になると利用可能期間はイギリス国内での利用が基準。海外ローミング中心になるとThreeのフェアユースポリシーにより期間が短縮される場合がある。大陸中心の旅程なら Orange のほうが向いています。
Q. どちらが安いですか
A. 同じ容量帯なら Three UK です(40GBで1,880円、Orangeは20GBで2,780円)。ただしヨーロッパ宛の通話をする場合は、Orangeのほうが結果的に安くなることがあります。Three は通話が別料金だからです。
Q. テザリングはできますか
A. どちらもできます。ただしテザリングで使った分も通常のデータ容量から引かれます。パソコンをつなぐ予定があるなら、ひとつ上の容量を選んでください。
Q. データを使い切ったらどうなりますか
A. 止まります。低速で使い続けられる仕組みはありません。Three は原則、通信停止または残高から従量課金、Orange は原則、データ通信停止です。
Q. 物理SIMがいいのですが
A. Three UK は eSIM と SIMカードのどちらかを選べます。Orange は eSIM のみです。端末がeSIMに対応していない場合は Three UK をご検討ください。
Q. 期間を延ばせますか
A. Orange は利用期間の延長は不可。30日を超える滞在は、購入し直す形になります。旅程が延びる可能性がある場合は、申し込み前にご相談ください。
Q. 日本の電話番号は残せますか
A. 残せます。日本のSIMを入れたまま、モバイル通信の回線だけを現地のeSIMに切り替えてください。ここが日本のSIMのままだと高額請求につながりますので、切り替えだけは必ず確認してください。2枚を同時に持たせる設定はeSIMと物理SIMのデュアルスタンバイで解説しています。
まとめ
Three UK と Orange は、どちらが優れているという関係ではありません。イギリス滞在が中心なら Three UK、ヨーロッパを移動するなら Orangeです。決め手は「どこに電話をかけるか」で、データ容量や価格はその次に見ていただければ大丈夫です。
それでも迷うときは、旅程を教えていただければ一緒に考えます。日本語でお答えしますので、お気軽にご相談ください。



